熊本地震に対する災害医療チーム参加の経験

   医療法人あさひ会 渡部医院 棚瀬和弥

 2016年4月14日より頻発した熊本地震による熊本県、大分県の犠牲者、被災者の皆さまに心からお悔やみ、お見舞いを申し上げます。
 日本医師会からの要請により5/16福島県医師会より白河市医師会に熊本県への支援派遣が依頼されました。東日本大震災の際、私は当時福井県在住でしたが岩手県釜石市で透析や泌尿器科医療の支援を行った経験もあり、すぐに熊本行きを決断しました。渡部恭行理事長に派遣希望の旨をお伝えしたところ快諾して下さり、かねこクリニックの理学療法士太田進也氏、看護師渡部典子さんと共に3人の白河市医師会災害医療チームが結成されました。さらに福島県立医科大学付属病院災害医療部の中島成隆先生、阿部良伸先生を加え5人編成で「福島JMAT(日本医師会災害医療チーム)第5次隊」として6/11~6/17に最も被害の大きかった熊本県益城町で支援活動を行って参りました。

 益城町医療福祉班[2]

 益城町では7割を超える建物が損壊しており、仮設住宅への入所も始まったばかりで2000人以上の方が避難所や車中、テントで生活されていました。病院や医院は建物に損傷がある施設もありましたが、すべて診療が再開されており、私たちは全国から集まった保健師さんと現地の医療機関を橋渡しするのがメインの業務となりました。その他に各避難所を巡回し問題点の整理と対処、仮設住宅の問題点確認、医療機関訪問、ボランティアの体調不良者への対処、保健師により集められた全世帯の住民データ入力、様々な現地団体との会議、活動報告の記録などを行いました。特に渡部さんは東日本大震災の際に仮設住宅入居の経験があり、また太田氏は仮設住宅の改修に携わっていたこともあり、それぞれの経験が十分生かされたと思います。(仮設住宅の設計は福島県の仮設住宅を参考にしたそうです)

 阿蘇地方[2]

 現地は梅雨入りして雨の日が多く、初めて湿度100%を経験し、冷房のない室内では何もしていなくても顔や腕に水滴がついてくる状態でした。また晴れの日は35℃まで気温が上昇することがあり、風がないと汗が止まりません。幸いすべての避難所で冷房、除湿が行われており、気候自体による体調不良者は少なく、むしろ屋外で活動するボランティアの方に熱中症が発生する傾向がみられました。

 仮設住宅視察[2]

 「肥後もっこす」の言葉にあるように熊本県民は頑固で恐いのでは?と勝手に思っていましたが、実際は非常に親切で優しい方々ばかりでした。特に「福島県医師会 医療班 のビブスを着用していたため、「福島も大変じゃろうけど、支援に来てくれてありがとな」とのお言葉を何度もいただきました。災害後亜急性期から慢性期へと移行している状況のなか、再興を信じて必死に頑張っている益城町住民の姿が強く印象に残っています。

 勤務風景[2]

 7/2に福島JMAT5次隊チーム5人で慰労会を行いました。5年後に再度熊本を訪れ、再興の姿を見て自分たちが何を出来たのか、今後何が出来るのかを考えようと誓いました。
 最後に今回派遣の機会を与えて下さった渡部恭行あさひ会理事長、金子大成医師会長、穂積彰一前医師会長、白河市医師会の諸先生方に深謝いたします。

 

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